サヨナラ、太陽のマークのスーバーマーケット
昨夜札幌の友達からメールが来て知った。
故郷の北海道釧路市で有名だったスーバーマーケット「妹尾商店」が
1月11日釧路地方裁判所へ自己破産申請し倒産した。
負債総額は約10億9200万円。
1月13日の昨日、市内全5店舗が閉店し、1977年設立から約33年の歴史に幕を下ろした。
僕の暮らしていた桜ヶ岡、白樺台と呼ばれる地区にも「白樺店」があった
実家から小学校までの約1Km、その中間にセオチェーン白樺店があった
通学路だから毎日このセオチェーンの横を通って学校へ通ったわけだ
釧路のひとたちはセオチェーンのことを自然に「セオさん」と呼んでいた
近くの生協のことは「生協さん」とは呼ばないけれど
「ちょっとセオさんに行って来るね」
と、母親たちは毎日セオチェーンへ買い物に行き
そして重たい買い物袋を両腕にぶら下げて帰った
遠足が近づくと持って行ける300円以内と決められたオヤツを
セオさんや近くの駄菓子屋で友達と何時間も考え選んだ
いつかのクリスマスにはセオさんでゲーム&ウォッチの「ボール」を買ってもらって
嬉しさのあまり飛び跳ねたこともあった
2Fの食堂のソフトクリームの美味さはちょっとは有名だった
時は流れて高校を卒業するころにゃ
それまでギターを抱えて東京へ行くと息巻いてた僕は恋をしてしまい
あたりまえのように少しでも給料の良い就職先を選んで結婚をしたいと思うようになった
そして選んだのが
「セオチェーン(株式会社妹尾商店)」だった
配属されたのはこの馴染みの白樺店の青果コーナー。
その日入荷した果物を大声を上げて次から次に売りまくった
記録的に売りまくって、名物お兄ちゃんになった
甘くて美味しい果物の見分けは的中していたから
みんな僕に訪ねてから果物を買ってくれるようになった
2Fの衣料服コーナーのモデルもやらされたので
北海道新聞の折り込みチラシに何度かパジャマを着て掲載されたこともあった
翌日売り場に、小、中、女子高校生たちが押し寄せてメディアの力を思い知らされたっけ
ひとつの恋も終わり半年でセオさんも辞めてしまって街へ出たけれど
同期の仲間のしんちゃんは今も大切な友達。
しんちゃんは配達の兄ちゃんで2Fの衣料品コーナーのゆきちゃんと結婚して二児の父親だ。
更に月日が流れ、故郷釧路も例に漏れず郊外に大型ショッピングセンターが次々とオープンし
過疎化が進む白樺台地区は寂しくなって行く一方だった
たまに帰る故郷で、正直どうして経営を続けられるのかが疑問に思うほどに映った
頑張ってくれたんだろう
地域と共に発展してきたスーバーマーケット。
みんな大好きなスーパーマーケットだった。
セオさんが無くなった。
僕らの年代の母親はクルマの免許を持っている人は少ないんだよ
メールをくれた僕の友達が続ける
「うちの母さん買い物いくところないって途方にくれてるよ」
僕のお母さんもそうだろう
ヒロスのお母さんもそうだろう
近所の商店みんな無くなっちゃったんだもの
高齢になった父親の運転する軽自動車で雪の積もった道、遠くまで毎日買い物?
釧路市長はそんな母親たちにどう回答するのかな?
サヨナラ、太陽のマークのスーバーマーケット
2010.01.14 | | コメント(8) | トラックバック(0) | LIFE
